『致知』では毎号、テーマを立て特集を組む
編集方針を採っており、冒頭には、その号の
特集テーマを読み解く「特集総リード」
を掲げています。
たった一ページの中に、心を鼓舞する
言葉や、人生の指針となる言葉
が凝縮されています。
本日は過去の号からその一部を
ピックアップしてお伝えします。
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人生をひらくとは心をひらくことである。
心をひらかずに固く閉ざしている人に、
人生はひらかない。
「ひらく」には、開拓する、耕す、
という意味もある。
いかに上質な土壌もコンクリートの
ように固まっていては、よき種を蒔
いても実りを得ることはできない。
心をひらき、心を耕す──人生を
ひらく第一の鍵である。
社会教育家の田中真澄さんが
講演でよくされる話がある。
人間の能力は、知識、技術、そして
心構えの三辺で表される。
どんなに知識と技術があっても、心構えが
悪ければ、能力は出てこない。
すべては底辺の心構えいかんにある。
さらに、よき心構えは積極性×明朗性
で表される、という。
なるほど、と思う。
消極性×陰気では何事も成し得ない。
(中略)
心構えに関する田中真澄さんの卓見がある。
「心構えというのは、どんなに磨いても
毎日ゼロになる能力である。
毎朝歯を磨くように、心構えも毎朝
磨き直さなければならない」
人生をひらく第二の鍵である。
『論語』と並ぶ古典『大学』は全編これ、
人生をひらく教えに満ちている。
中でも心に響く一文がある。
「必ず忠信以て之を得、
驕泰(きょうたい)以て之を失う」
まごころを尽くしてすれば何事も成功するが、
反対におごり高ぶる態度ですれば必ず
失敗する、ということである。
人生をひらく第三の鍵といえよう。
最後に、二宮尊徳の言葉。
「太陽の徳、広大なりといえども、 芽を
出さんとする念慮、育たんとする気力
なきものは仕方なし」
発憤力こそ人生をひらく源である
ことを忘れてはならない。
───『致知』2009年7月号
「特集総リードより」
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!