客家(はっか)がわかれば華僑がわかる、華僑が
わかればアジアがわかる。〓@68B0小平(中国)、
李登輝(台湾総統)、リー・クァンユー(シンガ
ポール)…アジアの政・財界に隠然たる勢力
を誇る客家人脈。客家の里・下北塘(広東
省)での日本人初の滞在ルポを中心に、
客家・華僑の実像とパワーの源泉に迫る。
「最強の華僑集団」「華僑の中の華僑」
「華僑の優等生」といわれる客家の
存在はきわめて大きい。
これこそ「華僑商法」といった虎の巻があるわけ
ではない。昔からの言い伝えられてきたことわ
ざや生活の知恵、異国暮らしを余儀なくさ
れた華僑が体得した生き抜くための
ルール、といったものが華僑
商法と呼ばれる。私が
聞いた華僑の教えリストは以下のようなものだ。
1.「忍耐という言葉は家の宝」華僑にとって
好むと好まざるとにかかわらず、重要不可
欠なものが忍耐だ。忍耐を数多く積み
重ねていけば、最後にはカネになる。
2.勤勉・倹約。華人の日常生活は、たとえ
大金持ちであっても、驚くほど質素だ。
彼らはいう。「請求書をチェック
することはビジネスの基本で
常識。それをしないほう
がむしろ非常識な間抜けといえる」
3.親友と信用。華僑ビジネスの基盤となる
ものは同族意識。それにもまして
大切なのが親友だ。
4.実の兄弟であれ、貸し借りは明確にせよ。
これも古くから中国の商人たちの間で
伝わってきた格言だ。
5.「食事はすみましたか?」これは親しい人
との挨拶だ。中国人にとって食事はそれほど
大切だ。彼らはその日の仕事ぶり、うまく
いったこと、いかなかったことなどを、
家長である父親が、ことわざやジョ
ークを交えて子どもたちに話して
聞かせる。面白おかしい会話で
子どもたちを笑わせながら、
ビジネスのポイントを教えていく。
6.面子こそすべて。中国人はこの面子を
何にもまして重んじる。
7.「四つの海はひとつの家」世界は一つという
広大な気概をもっている。「家族を世界中に
分散しておけば、ビジネスネットワーク
としても有効。たとえ自分の住んで
いる国が政変などで生活が危ぶ
まれるような状況になって
も、すぐ移動が可能だ」
8.「しかたがない」しょうがない、是非に及ばず、
といったところか。彼らはものごとをあまりくよ
くよ考えない。見極めも早い。彼らは一流の
情報収集能力と、世相に敏感な第六感に
よって、それが儲かるか否かの決断を下す。
中国人は時の流れの単位を大きく見る。生活設計
にしても数年ではなく数十年単位で見る。「一日
や二日、1ヶ月や2ヶ月、1年や2年、それくらい
早かろうか遅かろうが別にどうってこともない
ではないか」とは、よく聞かされたセリフである。
ユダヤ人の世界では、教育はもっとも大切なもの
であると考えられる。「財産は一度失えばそれっ
きりだが、知識は一度覚えれば忘れることは
ない」といわれるくらい、知識や学問は
価値のあるものだ。
幼い頃から聖典トラーとタルムードを読まされ、
勉強する。タルムードとはユダヤ教の戒律書で
あると同時に聖典である。何万人ものラビた
ちが、社会、法律、経済、道徳、保健、医
学、聖書解説、芸術、祭りなど日常生活
におけるあらゆる事柄について、議論、
討論した過程と結論をまとめた「人
生の百科事典」のようなものであ
る。いわばユダヤ5000年の知的財産なのだ。
タルムードを勉強するということは、「ものの
見方・考え方はひとつではなく、人によって
違う」ということを学ぶ。そしてトラブル
や諸問題の解決方法についても、「視点
は一つではなく、いろいろな角度から
考えなければならない」ということ
を教わることにもなる。こうして
ユダヤ人たちは知恵と頭脳を武
器に、国境を越えて生きてきたのだった。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!