ブランディング戦略によって、成長を続ける
300年の老舗企業中川政七商店の中川
社長と、パートナーの水野さん。
お二人のお話からブランディング戦略の
イロハを学びます。
───────「今日の注目の人」───
水野 学(クリエイティブディレクター)
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中川 政七(中川政七商店社長 十三代)
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【中川】
もう一つ、経営者としてブランドをつく
る時に大切だと思うのは、「どこに行き
たいか」「どうなりたいか」が明確
であることですね。
ブランドって評価の軸が一つだけじゃなく
て、「どういうふうになりたいか」という
のがあって初めて、そこに近づくために
小さな石を積み上げていくわけじゃ
ないですか。
ところが、この「どういうふうに」と
いうのがなくて、「とりあえずいい
ブランドになりたい」とか「カッ
コいいブランドになりたい」
っていう経営者が結構多
いような気がします。
そうじゃなくて、「どういうふうになり
たいか」がまずあって、その目標に対
していま自分たちはどこにいるの
かをきちんと認識する。
そのギャップを埋めていくのが、小石を
積み上げていく作業だと思いますね。
【水野】
ただその作業というのは本当にきりがなく
て、製品に書いてある書体一つに至るまで
関係してくるので、手を抜いていい
ところなんて一つもない。
ただ、それをどこまで経営者の方が見ら
れるかというと、やはり人・金・モノ
から優先されていきますから、
当然手薄になる。
ですからいまの時代、経営に必要な四つ目
の要素である「ブランド」にどこまで気を
配れるかというのが企業にとっての新し
い問題で、ファーストリテイリングの
ように、クリエイティブディレク
ターを側近に迎えるという時代
がやってきたと言えるでしょうね。
※確実に動いている時代の中で、次に
どんな手を打っていけばいいのか。
お二人の対談は、これからの経営に
関して示唆に富んでいます。
『致知』2017年9月号
特集「閃き」P48
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!