人によき影響を与え、心を大きく変えるのは
何も特別な行為ではありません。
ここで紹介する一人のお祖母さんの話は
そのことを教えてくれています。
───────「今日の注目の人」───
☆ あの笑顔をもう一度 ☆
鈴木 秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)
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私の親しい方のお母さまが100歳で
亡くなりました。
最後の3年間は、ある大病院で過ごされて
いましたが、認知症が進み、はっきり口に
できるのは朝晩の挨拶と「ありがとう」
という言葉くらいでした。
このお祖母さまは病院のスタッフが
病室に入ってくるたびに、屈託の
ない笑顔で「ありがとう」と
挨拶して頭を下げます。
最初は気に留めなかったスタッフも、
しばらくするとお祖母さまの笑顔を
見ないではいられなくなりました。
朝出勤すると、机に荷物を置く前にまず
お祖母さまの病室を訪れて声を掛けます。
「おはよう、ありがとう」という声を
聞いて一日の仕事をスタートする
ことが日課になっていったのです。
そして、夕方、退勤する時もお祖母さまから
笑顔のエネルギーをもらい、機嫌よく
帰途につくようになりました。
それだけに、お祖母さまが天寿を全うした時、
スタッフは皆、深い悲しみを味わいました。
ある医師は「朝夕、お祖母さまの病室に足を
運んだので、お祖母さまの笑顔を見ないと
一日の区切りがつかないくらいでした。
疲れて帰宅しても、家族の前では機嫌よく
しようと心を切り替える習慣が身についた
のは、お祖母さまと3年間接していた
おかげです。
お祖母さまは私にとってとても大きな
存在でした」と話していたそうです。
お祖母さまは何か特別なことをやった
わけではありません。
病室を訪れる人に……
※鈴木秀子さんの連載は私たちの幸せの原点が
些細な日常にこそあることを教えられます。
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『致知』には心に響く言葉がある
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『致知』2017年2月号
連載「人生を照らす言葉」P104
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!