心を積極的観念で満たし、
人生を正しく明るく生きることを説いた哲人・
中村天風師。
運命を発展させるその哲学を、大リーグで
活躍する大谷翔平選手も学んだといいます。
「知の巨人」といわれた渡部昇一氏に、その
要諦を語っていただいた内容をお届けします。
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天風哲学の要訣は、どのような環境にあろう
とも心を常に積極的に保つことで、
人生を明るく前向きに
いきいきと生きていこうという教えであり、
そのための実践方法だといえます。
真夏に汗をかきながら
「暑くてたまらないな」と思うか
「暑いな、夏は暑いほうがよい」と思うか。
同じ環境でも、その人の捉え方によっては
まるで違ったものになってきます。
同様にどのような苦しく厳しい条件に身を置こう
とも、不平不満を並べるのではなく、
心を正しく明るく前向きに保つ人がいます。
そうなれば、その人にとって厳しい
環境も幸せを掴むチャンスになるはずです。
天風氏が事あるごとに述べる
「人生は心一つの置きどころ」
とはそういうことなのです。
では、どのような時も積極的に
心を保てるようになるにはどうするか。
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天風氏はその一つとして「観念要素更改法」を
説きます。
私たちの潜在意識に怒りや恐れ、悲しみ、怨み、
憎しみといった消極的観念要素が巣くっていると
「死んでしまいたい」「希望を持てない」
などの思いが渦巻き、運勢も暗転します。
観念要素更改法とはこの消極的観念要素を
積極的観念要素に入れ替え、
人生を好転させる方法にほかなりません。
潜在意識を積極的観念で満たす方法として
天風氏は次のような方法を紹介します。
寝る前、鏡に映る自分に向かって
「おまえは信念が強くなる」と命令する、
そして目覚めた直後、
「私は、きょう信念が強くなった」
と耳に聞こえるように言う。
これは「命令暗示法」「断定暗示法」と呼ばれ
ますが、このほかにも寝床には消極的な思いは
一切持ち込まず、明るく朗らかに、いきいきと
勇ましい積極的なことだけを連想しながら眠る、
という教えも説いています。
『致知』2011年11月号より
致知出版社の人間力メルマガ
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!