忘れてもよい。忘れっぽくても、
よい頭は良い頭である。
新しいことを考えるには、忘却の
助けが必要なり。
忘却とは、忘れさることなり。
忘却によって整理され、きれいになった頭で
新しい知識や情報などを取り入れる。
それで記憶が働くのである。
入れたら出す。お年寄りは、多くのことを
忘れるから、新しく記憶しても便秘、
糞詰まりになることはない。
70歳にして新しい外国語を学び始めるのが、
優雅な遊びなり。
記憶と忘却で、過去は編集される。
忘れ忘れて、忘れ切れなったもの、
それが思い出という過去である。
田舎で猛烈に勉強するより、都会でのんびり
勉強したほうが良い。勉強は、休み休みやれ。
空腹時の頭は、フル回転する。
朝一番に考え、頭を使え。
入浴が気分を爽快にするのは、頭の中の
よごれ、ゴミ、雑念などが一掃
されるから。
おしゃべりの効用。気のおけない人とうまい
ものを食べて、四方山ばなしすることで、
我々の頭もきれいになる。雑念を
消すことができるので、
飲み食いは、大切な時間なり。
原稿は、寝かせよ。忘却は余計なものを
洗い落とし、純化と昇華をさせる。
よく遊び、よく学べ。まず休んで、頭の中を
きれいにして、いくらかハングリーの状態
にしておいてから勉強せよ。
覚えたことは一度、忘却の流れにさらすこと
によって、命ある知識になるのである。
思い出は、みな美しい。
頭を働かせるにはまず忘れること。情報・
知識でメタボになった頭脳を整理し、
創造・思考の手助けをするのは
忘却なのだから。『思考の整理学』の続編。
外山滋比古 (著)『忘却の整理学』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!