1 インタビュー記事の読みどころ
2 今日の「一日一言」/活読
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1 インタビュー記事の読みどころ
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薄井 シンシア(日本コカ・コーラ
ホスピタリティ責任者)
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時給制のアルバイトから身を起こし、
一流ホテルの副支配人などを歴任、
現在は日本コカ・コーラで東京
オリンピックのホスピタリ
ティ責任者として新た
な挑戦を始めた薄井シンシアさん。
実は48歳までは専業主婦として育児に
専念されていたというから驚きです。
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──家事や育児で大切にされてきた
ことはありますか?
重要なことは口で言うだけでなく、自分
で行動して示すようにしていました。
例えば、娘が通ったすべての学校の
PTAの役員になりました。
それはすべて、娘に「自分が恵まれてい
れば恵まれているほど、世の中にお返し
する義務がある」ということを伝え
たかったからに他なりません。
──恵まれている人には役割がある、と。
中高生時代の娘は学校で一番成績が
よく、自分でも頭がいい自覚が
あったと思うんです。
当時の彼女は、海外生活が長かったから
か、自分は世界中どこに行っても生き
ていけると思い込んでいた。
でもそれは違うよと。
娘に社会の一員として生きるとはどう
いうことかを教えたかったんです。
その時に、言葉で説明してもなかなか
伝わらないと思ったので、PTA活
動において、皆が敬遠する仕事
を率先して引き受けました。
私が苦労しながらも皆のために行動して
いる姿を通じて、自分の損得にかかわ
らず、自分ができる力を活かして
生きることの大切さを伝えら
れたのではと思っています。
そこからですね、娘の考え方が
すごく変わったのは。
──自分の背中で以て、人生で大切
なことを教えられたのですね。
その娘が大学生の時、「私はどんな仕事
が来てもやる自信はあるけど、唯一自
信がないのはお母さんのような母親
になること」って言ってくれたんです。
尊敬の念を込めた言葉だと思うんですけど、
私みたいな母親になるってことはつまり、
専業主婦になるということ。
それを聞いた瞬間、私が仕事に復帰して、
専業主婦を終えても仕事に就けるという
証明をしない限り、将来彼女は安心
して子育てができないなと痛感したんです。
私は娘を育てたおかげで可能性が広がっ
て現在の自分があると思っているので、
その経験を基に私が仕事を通じて
輝き、娘に勇気を与える存在になろうと。
48歳の時に17年間の専業主婦に終止符
を打って、仕事への復帰を決意した
のはそのためです。
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専業主婦の仕事を「キャリア」と位置
づけ、自らの「成長」をモットーに
育児・仕事の双方で目標を達成
してこられた薄井さんの5
ページにわたるお話は圧巻です。
『致知』2018年7月号
「インタビュー3/人間の花」P54
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2 今日の「一日一言」/活読
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読書はただ読むだけでは駄目で、読み
ながらもその本を自己内部で賦活
(ふかつ)する必要がある。
これを活読という。読みっぱなしなら
ば、むしろ本に読まれていることになる。
『安岡正篤 一日一言』
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝