継続することが物事を成就させるために一番大事だと思いますよ 第 515 号

 現代日本を代表する書家 星 弘道さん、72歳。

 そんな星さんを導いた人生の師、そして人生で

最も大切なこととは──

────────[今日の注目の人]───

☆ 人生の師に学んだこと ☆

星 弘道(全日本書道連盟理事長)

───────────────────

 それから三人目の師は、私に漢詩、漢文を教えて

くださった猪口篤志(あつし)先生。

 この方はね、まるで『論語』の世界に生きている

ような人で、人格的に立派な人でした。

 猪口先生も教えるということに対してはすごい

情熱を持っていらして、教わろうという気のある

生徒にはもう徹底して教えてくださった。

 それから全然偉ぶらない。

──いまも心に残る猪口先生の教えなどは

ございますか。

 猪口先生がある教育者の方の例を挙げて、次の

ようなお話をしてくださったのはいまでも

印象に残っています。

 ある日、その先生の講義には一人の生徒しか

来なかったと。

 しかし、先生は「今日の授業はやめにしよう」

ではなく、逆に一人の生徒のためにもの

すごい情熱を持って講義をした。

 そして、「どうして一人のために、そこまで

してくださるのですか」と質問した生徒に

対して、先生はこう答えた。

 「たった一人でも、君が貴重な逸材かも

しれない。だから一人でも手を抜いては

いかんだろう」と。

 猪口先生は、人を育てるとはどういうことかを

身をもって教えてくださった気がしますね。

(略)

──師の教えを愚直に実践されてきたことで、

目標や志を実現されてこられたのですね。

 やはり、継続することが物事を成就させる

ために一番大事だと思いますよ。

 私もぐっと燃え上がっては、途端に冷めると

いうか、性格的に飽きっぽいところがある。

 その欠点が分かっていますから、毎日何でも

いいから書くことを自らに強いてきました。

──何事にも通じる心構えですね。

 ええ。でも、書っていうのはこれで極めた、

これでもういいっていう世界ではなくて、

おそらく一生、生涯現役で苦しむよう

なものではないかと思っています。

 例えば……

※一日も休むことなく書に向き合ってきたと

いう星さん。その一途一心の歩みの

続きは本誌でどうぞ!

 『致知』2017年1月号

        特集「青雲の志」P48

 今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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