臆面もなく本音を語る姿勢は率直な物言いとして好意的に受け取る国民が多い 第 3,045 号

 ヨーロッパ・地中海世界の要たるこの地には、

古来じつに多様な人びとが行きかい、ゆたか

な歴史を織り上げてきた。リソルジメント

(統一運動)以降の近現代史はもちろん、

古代・中世における諸勢力の複雑な

興亡も明快に叙述。北と南、都市

と農村といった地域性や、文化史にも

着目し、その歩みをとらえる。好評「歴史

10講」シリーズ第四弾。

 ファシズム期の弾圧から戦後に復活を遂げた

マフィア組織は、戦後の南部振興策による

資金流入を背景に建設業に進出し、

成長を遂げた。

 その後、麻薬取引の利権をめぐって、1960

年代と1970年代の2回にわたり、「マフィ

ア戦争」と呼ばれる、激しい内部抗争

を繰り広げた。

 1986年からは、パレルモでマフィア大裁判と

呼ばれる、一連の裁判が行われ、700人以上

が有罪判決を受けた。

 これに対し、シチリアのマフィア組織は、1980

年代以降、政治家や裁判官、ジャーナリストな

どを標的としたテロ行為を行い、取り締まり

に対する露骨な威嚇を行った。

 あまりに露骨で凶暴な威嚇行為に対し、国民の

嫌悪感は高まり、反マフィアの論調が高揚した。

 その結果、マフィア組織は国家権力を攻撃

する戦術をやめ、シチリアにおけるマフィ

アの活動は表向き沈静化した。

 しかし、彼らは、拠点をミラノやローマに移し、

事業を産業廃棄物の処理(エコマフィア)や

移民の周旋などに変えながら、今なお

イタリア社会の中で棲息している。

1994年、ベルルスコーニが首相の座に就いた。20

年近くに及ぶベルルスコーニ時代の幕開けである。

 ベルルスコーニは、ミラノ郊外の住宅開発で財

を成し、テレビ局や雑誌、広告代理店の傘下に

収める一大企業グループを築き上げた、

立志伝中の人物である。

 ベルルスコーニは、地域に大幅な権限の委譲を

求める北部同盟と、国家権力の強大化を求める

国民同盟という、正反対のベクトルを持つ

2つの政党の要求を巧みにまとめる

能力を発揮した。

 また臆面もなく本音を語る姿勢は、気取った

政治家とは異なり、それを率直な物言いと

して好意的に受け取る国民がそれなりに

多かったことも事実である。

北村 暁夫 (著)『イタリア史10講』

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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