日々の仕事や人生の中で、
どうしても素直になれずトラブルや
失敗を経験した人は多いのではありませんか??
一代で松下電器産業(現・パナソニック)
を築き上げた経営の神様・松下幸之助もまた
素直になろうと絶えず努力し続けた人でした。
松下幸之助は「素直な心」をどう考えていたのか、
PHP研究所客員の岩井虔さんと兵庫経営塾代表
の上田勝さんに語り合っていただきました。
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(上田)
岩井さんは(松下幸之助氏の)どんな言葉が
印象に残っていますか。
(岩井)
私の場合、28年間で言われた言葉の記憶として
1番残っているのが「君、どない思う?」なんです。
私だけでなく、周辺にいた皆が「君はどう思うんや」
「君はどう思うんや」と聞かれて大変だったと
いうんですが、私もそうでした。
幸之助さんにとっては素直な質問であっても、
「君、どう思う?」と聞かれて返事ができなければ、
あぁ、勉強しておかなければと反省して、後で
調べたり考えたりする。だから「君、どう思う」と
言われ続けたことが、己の考え方や信念を養う上で
非常によかったと思うんです。
(上田)
そうやって質問調や相談調で社員の話をしっかり聞く。
その根気が凄いですよ。
こうやれと指示を出せば1番早いわけですが、
それでは本人は学びませんから。
(岩井)
その根底には素直な心で相手に接するという姿勢が
あったのだと思いますが、実は幸之助さんが80歳を
超えられた頃「岩井君、素直な心の教科書を持って
きてくれんか」とおっしゃったんです。
「参考書ならたくさんありますが、教科書は
ありません」と答えると、少し表情を曇らせて、
「わしなぁ、いろんな一流の人物とお会いする。
一流といわれる人に会うたらな、共通点があるんや。
それは何か。素直な心を大事にするという、その一点なんや。
幸いわしも素直な心を大事にしようと思い、
皆にも言い続けてきた。ところが……」と、
きたんですね。
★本記事は月刊『致知』2013年12月号から
一部抜粋・編集したものです。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!