ゴールドマン・サックスのニューヨーク
修行時代から、内外の大物経営者との
出会い、社内でのカネ・政治・
出世競争などの知られざる
エピソードを数多く描く。
日産自動車、三菱自動車、ダイムラー・
クライスラー、日立製作所、DDI、
KDDなど数多くの企業が登場。
M&Aアドバイザーからみた
日本経営論にもなっている。
日本のM&Aが本格化した1990年代から
2000年代半ばにかけて、主要プレー
ヤーとしてM&Aをリードした
ゴールドマン・サックスの
辣腕アドバイザーの
著者が、自らが手がけた多くの
M&A案件の内実を初めて明かした
稀有のノンフィクション。
日本のM&A20年史でもある。
わたしは2017年に還暦を迎えた。
37年前、23歳で日本の大学を卒業して
普通に日本の大企業(日産自動車)に
就職したが、7年半で退社し、自費
で米国のビジネススクールに留学した。
卒業後、当時としては日本社会にはあまり
馴染みのない投資銀行ゴールドマン
サックスに就職した。
14年半この会社で過ごし、日本におけ
るM&Aアドバイザリー事業の
責任者を務めた。
その後、日本の経営学大学院での教員
生活といくつかの会社の社外取締役を
中心とした生活で現在に至っている。
わたしの基本的な考え方は、「会社と
自分は常に対等な関係でなければ
ならない」というものだ。
「会社というものは自分の味方ではない。
敵とまでは言えないが、少なくとも黙って
いても会社が自分のために何かを施して
くれるというものでは絶対にない」
「会社で自分の思いを通すためには、会社
と個人は常に対等の関係になければならない」
「さらに対等な上で日々これ勝負であり、
これにある程度勝たなければ、自分の
思いを遂げることは出来ない」
今でも、この考えは変わっていない。
以上のことを実践するために、
次のことが重要だと考える。
A,自分の人生は自分でリスクをとって
自分で切り開く。
B,特に人生の後半の時期に、少なくとも
自分の居場所は自分で決められる
ような立場にいたい。
C,まったく自分の意思とは無関係に、組織
の側に自分の居場所を一方的に決めら
れることはだけは絶対に避けたい。
ゴールドマンサックスでの多数の大型
M&A案件のインサイダーとしての
経験は、30代、40代の通常の
ビジネスマンがまず経験
することのない濃密なものであった。
結論を言えば、わたしとしては日本的
経営文化は世界の中で特異な文化では
あるが、決して比較劣後する文化
であるとは思わない。
服部暢達『ゴールドマン・
サックス:M&A戦記』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!