見識が立たないとどうも物事はきまらない 第1,713号

『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』の内容の
一部をご紹介します。

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★17条に込められたリーダーの心得★    
       
『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』

          安岡 正篤・著
 
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これを読んでみますと
実に淡々として少しもこだわらずに
極めて平明に重職の心得べき憲法を叙述して
います。

聖徳太子の十七条憲法なども非常に優れたもの
ですが、この心得箇条も非常にくだけた文章で
しかも高い見識のもとに、
国政にあずかる重要な職務にあたるものは
かくしなければならないということを、
実に要領よく把握している名作だと思います。

         ☆

「深沈厚重(しんちんこうじゅう)」
「磊落豪雄(らいらくごうゆう)」
「聡明弁才(そうめいべんさい)」

の3つが人物というものを観察、表現、解釈
する古来から専門家に知られている
1つの立派な基準です。 

いわれてみると成程と思います。

普通なら頭がいい、才がある、
弁が立つ、なんていうことは
誰にでもわかる大変いいこと、
優れたことでありますが、
人間学という鑑識、評価からいうと
それは第三等なのであります。

         ☆

知識というものはごく初歩というか
一番手近なもので、知識がいくらあっても
見識というものにはなりません。
見識というのは判断力です。

見識が立たないとどうも物事はきまらない。

見識の次に実行という段になると、
肝っ玉というものが必要になる。

これは実行力です。

これを胆識と申します。

知識、見識、胆識、
これが「識」というものの
3つの大事なことです。 

    ☆    ★    ☆

本書は、以前小泉総理が全閣僚に勧めたこと
もあり、当時大変話題の書となりました。

その後もとぎれることなく版を重ね、
現在、累計9万部を数えるまでになりました。

新書判で持ち運びが便利であり、
『重職心得箇条』の原文と解説文が100ページ
の中にコンパクトに凝縮。

企業の幹部クラスに向けて行われた講義を
もとにしてつくられた本書は、
まさしく上に立つ者の行動指針となる1冊です。

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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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