飛騨高山市内に、行列の絶えないパン屋さん
があるのをご存じでしょうか?
「パンが輝くかどうかはつくる人の人間性」
と説く、成瀬正さんのお店には、どんな
ドラマがあるのでしょうか。
───────「今日の注目の人」───
成瀬 正(トラン・ブルー オーナーシェフ)
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──岐阜県高山市に行列の絶えないパン屋さん
があると聞いてやってまいりました。
ひっきりなしにお客様が来店されていて、
ものすごい繁盛ぶりですね。
東京から4時間半ほど離れた田舎の小さな店
にもかかわらず、ゴールデンウィークや夏
休みになると、必ず100人以上のお客様
が開店前に並んでくださっています。
多い時は行列が200人を超えることもあります
し、平日でも10人から20人くらいのお客
様が待っていてくださっています。
地元の方はもちろん、わざわざ他県から何時間
もかけて車や電車で来られる方も多いですね。
──なぜこれほどまで人気があるのでしょうか。
うちは珍しい素材を使ってパンづくりを
しているわけでも、フランスで修業し
て帰ってきたわけでもありません。
特に変わったことはしていません。
ただ、私は決してお客様の期待を裏切っては
いけないという強い気持ちがあり、目の前
の商品がもっとよくならないか、と常
に高みを目指して仕事に打ち込んできました。
(中略)
私はパン職人になって30数年経つんですけど、
いまだに自分が理想とするパンに仕上が
ったことは一度もありません。
──一度もないのですか?
もちろん食べるとおいしいですし、
商品としては合格点です。
しかし、足りないと感じたところを改善
すると、また新たな課題が見えてくる。
その繰り返しだから終わりがないんです。
店名の「トラン・ブルー」っていうのは、
フランス語で「ブルートレイン(寝台
列車)」の意味です。
目的地に向かって長い距離を夜通し走り続ける
ブルートレインのように、果てなきパンづくり
の道をひたすらコツコツと進んでいき、地方
できらりと輝く店を目指すという
願いを込めているんです。
※かつては家業に自信の持てなかった
成瀬さんは、いかにしてパン職人
として繁盛店をつくり上げたのか。
続きは本誌で。
『致知』2017年10月号【創刊記念号】
特集「自反尽己」P40
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!