足腰を鍛えることが元気に天寿を全うするとても重要なカギ 第1,462号

超高齢社会へと突き進む日本では、
ただ長く生き永らえるだけでなく、
いかに元気に天寿を全うするかが
問われています。

筋力の専門家として高齢者の体力づくりに
取り組む石井直方さんに、生きる力を発揮し、
充実した人生を謳歌する筋トレ法を
伝授していただきます。

…………………………………………………

(石井)
アメリカ以上に高齢化が進む日本では、
転倒が元で寝たきりになってしまう高齢者が
年間10万人にも上ります。

私は、高齢者が安全に行えるトレーニング法
の必要性を強く実感し、スロートレーニング

(スロトレ)という方法を開発しました。

スロトレはその名のとおり、
ゆっくりと体を動かすことで、体にあまり
負荷をかけず、短時間に効率よく筋肉を

鍛えることのできるトレーニングです。

体をゆっくり動かすのは、筋肉を持続的に
緊張させ、内部の血流を制限するためです。

それによって、筋肉を動かす時に発生する
乳酸などの代謝物質が外に運び出されず、
筋肉が激しく動いた場合と同様の効果が
得られます。

長く健康を維持していくためには、
体のどの部分も大切であることはいうまでも
ありませんが、とりわけ足腰は重要です。

足腰の筋肉は加齢の影響を最も受けやすく、
どんどん細く、弱くなっていきます。
足は体の機能でいうとロコモーターと呼ばれ、
ここが衰えれば思うところに移動できなく
なります。

また、いくら足が丈夫でも、
体の要である腰(体幹)が弱れば、
ふらふらしてちゃんと歩けなくなります。
足腰が衰えると自立した生活もままなら
なくなり、たちまち要介護となって
しまうのです。

足腰が丈夫であれば活動の場も広がり、
それが脳へもよい刺激をもたらして
くれます。まずは足腰を鍛えることが元気に
天寿を全うする上でのとても重要な
カギとなるのです。

ここで、足腰を鍛えるための
スロトレ「スロースクワット」
をご紹介します。

スロースクワットのやり方

両脚を肩幅くらいに広げて立ち、
両手を真っすぐ体の前に伸ばす。
中腰になり、両足のつま先を外側に

それぞれ三十度くらい開く

椅子に腰掛けるイメージでおしりをやや
後ろに引きながら、ゆっくりと四秒ほどかけて、
膝が九十度になるくらいまで腰を下ろす

息を吐きながら、ゆっくり四秒ほどかけて
膝を伸ばし、立ち上がる。

この時、膝を完全に伸ばしきらない段階で、

②~③の動作を繰り返す

各々の体調に合わせて少しずつ回数を増やして

いき、8回を1セットとし、休憩を挟んで

3セットできるようになれば、お年寄りでも

かなり筋力がついてきます。

※本記事の一部はWEBchichiでも公開中!こちらから 

★(本記事は『致知』2015年7月号
特集「生きる力」より一部を抜粋・編集したものです)

 今回も最後までお読みくださり、

       ありがとうございました。感謝!

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