●女性捜査員は平凡で目立ない容姿
●JR大塚駅は尾行を撒くのに最適の駅
●街中ではサンドイッチマンや看板持ちに変装
●風俗好きの外国人スパイと仲良くなるため、
同じ風俗店の常連に
●007のような秘密兵器も
●仲間由紀恵似の美女で、ハニートラップを
仕掛けてくる中国
●最も必要な資質は社交性……。
元公安が明かす、外国人によるスパイ・テロ・
犯罪行為を水面下で阻止する組織の実態。
私は一九九〇年代に警視庁に入庁し、外務省に
出向した三年間を除くと、通算でおよそ二十年
間、警察官として勤務してきた。
その大半、私が在籍したのは公安部である。
私が所属し、本書のメインテーマでもある、
外国による対日工作やスパイ活動、国際
テロリズムなどを捜査する「外事警察」
は、この公安部の一部をなしている。
公安警察の活動も、人々に称賛されることや
評価されることもない。それでも外事警察
の捜査員たちは、高いモチベーションを
保ちながら日夜仕事をし続けているのである。
「功名を語らず」を旨とし、来る日も来る日も
地べたを這いつくばるような過酷な任務に従事
している。はなから評価されることや感謝の
言葉など期待していない。
スパイ映画のように、美女とベッドをともに
などという色っぽい話はまったく出てこない
ことを、あらかじめお伝えしておきたい。
現実は、地道な捜査と報告書作成を
繰り返す日々なのだ。
地道な捜査といえば、身分を秘匿して「影」の
ように監視や情報収集に専念する警察官たちが、
公安警察にはたくさん存在する。
完全に別人になりきり、所属部署には滅多に
姿を見せないような者もいる。
こうした外事課の捜査員たちの日々の仕事の
積み重ねによって、この国の平穏が保たれて
いることを理解していただけたら、筆者
としてとてもうれしく思う。
内実は地味な世界。普段、公安警察がどんな
ことをしているかというと。「監視」と
「情報収集」、この二つに要約される。
列挙すると、一見華やかなスパイ映画のような
仕事に感じられるかもしれない。しかし、それ
は思い込みで、内実は辛抱・我慢・忍耐の
三文字がふさわしい地味な世界だ。
勝丸 円覚 (著) 『警視庁公安部外事課』
の詳細及び書籍購入はこちら ⇑
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!