音読を学校教育に取り入れ、子供たちの学力
向上や学級づくりにも大きな効果を上げて
いる小学校教諭・山田将由さん。
日々実践されている「速音読」
の手応えとは──
────────[今日の注目の人]───
☆ 集中力を身につける簡単な方法 ☆
山田 将由(神奈川県公立小学校教諭)
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私はもともと、『致知』でもお馴染みの齋藤孝
先生のファンで、先生の本を通じて音読
の素晴らしさを知りました。
教員採用試験を受ける時も、先生の本に抜粋
してあった『走れメロス』『学問のすすめ』
『草枕』を音読してから勉強に取りかか
っていたんですが、短時間でかなり
集中力が増すのを実感していました。
それから、東北大学の川島隆太先生が、
音読は脳を活性化させることを科学的
に実証されたこともあって、音読の
効果には確信を持っていたんです。
ですから、私は教職に就いて今日まで11年、
「声づくりによる学級づくり」をテーマに
子供たちの指導に取り組んできたんです。
(中略)
そのために私はこれまで、音読用の教材を自分
でつくるなど、試行錯誤を繰り返しながら実践
してきましたが、今年になって齋藤孝先生の
『楽しみながら1分で脳を鍛える速音読』
が発刊されたのを読んで、この速音読を
実践すれば、子供たちもさらに意欲を
持って音読に取り組んでくれるに違
いないと感じまして、早速日々の
音読指導に取り入れているんです。
──速音読の手応えはいかがですか。
速音読は、指定された範囲をできるだけ速く
読む音読法ですが、速く読もうとする中で、
素早く言葉のまとまりを掴むことができ
るようになり、また読む範囲の少し
先を見る力もつきます。
速く読めるようになると、普通の速さで読む時に
余裕を持って音読できるようになりますし、脳科
学的にも速音読は前頭前野を活性化させる度合
いが高いそうで、短い時間で集中力や学習
意欲を引き出せるのを感じています。
それから、速音読では読んだ時間を記録します。
継続することで時間が短くなり、成長を
実感できるのがいいですね。
成長の記録が残るというのはとても大切
なことで、継続実践に役立つと思います。
それにこの『楽しみながら1分で脳を鍛える
速音読』には、素晴らしい名文がたくさん
紹介されていますから、例えば一週間
ごとに読む場所を変えるなどして、
年間をとおして体系的に実践
することも可能です。
とても画期的なテキストを出して
いただいて感謝しています。
『致知』2017年9月号
特集「閃き」P40
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!