現在、メジャーリーグでの活躍がめざましい
大谷翔平選手(27)や菊池雄星選手(30)
など、数々のスタープレーヤーを育て上げてきた
花巻東高校硬式野球部・佐々木洋(ささき・
ひろし)監督。
指導の中で見出した、名選手の共通点――
「何をやってもツイてる人、空回りする人の
4つの差」について、実体験を踏まえて語って
いただきました。
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〈佐々木〉
私は運気を上げるために気をつけていることが
4つあるのですが、そのうち一番大事なのが
「言葉」だと思います。
試合中、相手や審判を野次ったり悪口を言った
瞬間に一気に運気は下がって、必ず次の回に点を
取られたりするんです。
それは昨年の夏、準々決勝で大分の明豊高校と
対戦した時にすごく感じました。
(エースの菊池雄星投手が背中を痛めて途中降板
し、8回が終わって4対6。花巻東はここまでかと
思われた)9回表の攻撃に移る前、私は選手たち
には「まだ2点差しかないぞ」と言ったんです。
言葉ってどう使っても自由ですよね。
だから「5点差じゃない、まだ2点差なんだぞ」と。
そうしたら、9回に2点入れて延長まで持ち込みま
した。
10回の表、佐藤涼平という選手がバントで1塁ラン
ナーを2塁へ送った時、全力疾走でファーストに
駆け込んだものだから向こうの選手と激突して
倒れ込んでしまいました。
(佐藤選手はピクリとも動かず担架で運ばれて
いったため、誰もが彼は次の守備にはつけないと
思っていた。
だが10回裏、佐藤選手がまたニコニコ笑いなが
ら全力疾走で守備に走っていく。
その瞬間、会場が「ウオー」っとどよめいた)
あれには私も鳥肌が経ちました。もう敵味方なく、
この球場は花巻東のためにあるんじゃないかと
思うような拍手でした。
甲子園にいる魔物ってこれかと思いまして、
この試合は勝てると確信しました。
しかし、彼が倒れた時にファーストの選手をにら
んだり、文句を言ったり、あるいは私が審判に
激しく抗議したりしていたら、あれほど観客を
味方につけることはできなかったと思います。
やはりいかなる場面でも愚痴や毒を吐かないと
いうことが、運気を下げない大切なポイント
だと思います。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!