野菜や果物がいつ一番おいしくなるかを研究している 第 2,731 号

高校卒業後、単身香港に渡ったのを皮切りに
料理の本場を渡り歩き、薬膳に目覚めた
追立久夫さん。

日本で知る人の少なかった薬膳、
その本質を追究し広める独創の歩み
本誌最新号にて語っていただきました。

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(――追立さんは日本で薬膳が
いまほど注目されない50数年前から、
その研究と啓蒙に取り組んでこられました。
お顔の艶もよく、溌剌とされていますね。

(追立) 
71歳になりましたけど、おかげさまで元気でね、
体はどこも悪くありません。
朝7時に起きて、店が終わる夜10時まで
厨房に立っていますよ。
仕事をしなければ他にすることがないんです。

朝のうちは専ら家の畑の手入れをしています。
少なくともご予約のお客様には、
自分で育てた野菜や果物で出したい。

金柑、枇杷、クコの実、菊芋……
珍しいものも含め、野菜や果物が全部で
百種類くらい植えてあって、
季節ごとに実る作物も変わります。
どれも種から育てて、いつ一番
おいしくなるかを研究しているんです。

(――すべて薬膳の材料なのですか。)

(追立) 
薬膳といっても難しく考える必要はありません。
特殊な漢方薬を使うものではなく、そもそも私
たちが普段食べている食材それぞれに、体を
健康にする効能がある。これを目的に
沿って組み合わせるのが薬膳なんです。

例えば味噌汁だってそうです。
味噌汁は腸内環境を整えますが、
そこに疲労回復に効くレモン汁を垂らす。
すると一層体を癒す一品になります。
これも薬膳ですよ。

あとは、なぜ焼き肉や豚カツに、
他の野菜ではなくレタスやキャベツがつくのか
考えてみてください。
脂を分解する効能があるからです。
全部意味があるんですよ。

(――普段の食のそこかしこに先人の知恵、
薬膳はあるのですね。)

(追立) 
食材も人間と同じ、すべて性格が違います。
何も理解せず、一緒くたに調理してはダメです。
薬膳を扱った番組や雑誌を見ると皆、
こういう肝腎なことを忘れています。
正味50年、薬膳一本で生きてきた自分が
持っているものを残したいという思いもあって、
店に立ち続けているんです。

(――薬膳とはどういう出合いを?)

(追立)
そもそも料理の……

★追立さんはどのように
薬膳の一道を歩んで行かれたのでしょうか。
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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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