金融業者として活躍した民族は強大な異民族の支配を長く受けた少数民族だ 第 864 号

 仕事に役立つような「実践的な教養」を

身につけたい方、金融、為替、貿易など

が「なぜそうなったのか」を知りたい方!!

 「消費増税」も「TPP」も歴史に学べ !

人に話したくなる「ストーリーとしくみ」。

 世界中で「ドル」が使える、たった1つの

理由⇒メキシコドル、ポンド、ドルの歴史。

 通貨がわかれば、世界がわかる。

 経済学の誕生――財政から見たヨーロ

ッパ史⇒植民地支配の失敗から、

経済学は生まれた。

 公共事業によって、いくつもの大国が

滅亡した⇒現代日本と古代ローマ

の共通点とは?

 本書は、経済をより深く理解するために、

歴史、つまり「物事の成り立ちから学ぶ」

というアプローチをとったものだ。

 小国の集まりだったドイツは経済的に

一体化していき、プロイセン王国

を中心に統一された。

 ちょうど冷戦が終わり、ソ連が崩壊した

時期、クリントン政権のゲーツCIA長官

は、「CIAの業務の4割、予算の3分

の2を経済分野に充てる」と発言。

 ソ連という最大の敵を失ったCIAは、

情報収集と工作活動のメインター

ゲットに日本を選んだ。

 金融の歴史は、迫害された者の

歴史でもある。

 「いつでも逃げられる仕事」、

それが金融業だった。

 農業と金融の意外な接点。

 「持ち逃げできる資産」を

蓄える必要があった。

 金融業者として活躍した民族として、

フェニキア人、ソグド人、アルメ

ニア人、ユダヤ人、客家

(ハッカ)がいる。

 いずれも、強大な異民族の支配を

長く受けた少数民族だ。

 そのため課税対象になりやすい固定資産

ではなく、持ち逃げできる金融資産を

蓄え、これを異民族に貸して、利子

をとることで利益を上げた。

 現代にも影響力を持つアルメニア人。

 アルメニア人は、トルコ東部、黒海と

カスピ海の間に住む少数民族だ。

 西欧諸国やアメリカでは、アルメニア

人が一定の政治力を持っており、無

視できない存在である。

 客家は、移住先では山間部の貧しい

地域に住むことを強いられたため、

農業ではなく商業金融活動に

活路を見出し、「中国の

ユダヤ人」とも呼ばれている。

 海外に移住した中国商人、華僑の

多くは客家の出身。

 ピラミットを作った本当の意味。

 ナイル河畔に立ち並ぶ巨大なピラミッド

や神殿建設にも大量の人民が動員される。

 これは王権の強大さを誇ると同時に、

もう一つの大きな役割があった。

 氾濫の期間、農作業ができない人民に

仕事を与える失業対策、治安対策と

しての公共事業でもあったこと

が、発掘調査により明らかになった。

 徴税権を手にした者が、天下をとる。

 徴税権は権力そのもの。

 議会政治も経済学も財政問題

から生まれた。

 リスクヘッジの名手、ロス

チャイルド家に学ぶ。

 ナポレオン戦争のときも、ロスチャイルド

家は英仏に二股をかけて資産を守り、ワー

テルローの戦いでの英軍勝利の情報を

握るや、英国債を買いまくって

莫大な利益を得ている。

 茂木誠『経済は世界史から学べ』

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今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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