「中国が台湾を絶対手放せない経済的理由
とは?」「世界の石油市場を操作するロシ
アの外交戦略」「タックスヘイブンを使
いこなす北朝鮮の闇経済」――複雑化
する世界情勢を「お金」と「地理」
から考察する、おとなのエンタ
メ教養本が誕生! 地政学に
「お金の流れ」を加えれば、
世界の動きがよくわかる。
アメリカの強みは、なんといっても
国土の広さと資源の豊富さだ。
アメリカの広い国土は、農業にも適して
いる上、金脈、油田、鉱山とあら
ゆる資源の宝庫なり。
アメリカが世界の経済大国にのし上がっ
たのは、第一次大戦のときだ。
ドルを基軸通貨にして世界の覇権を握った。
アメリカは、第二次世界大戦でも国土
が戦災を受けなかった。
経済を支えるロシアの巧妙な資源外交。
2022年2月、ロシアが隣国ウクライナへ
侵攻した。欧米諸国は、ロシアに厳しい
経済制裁を課した。だが、ロシア経済
は持ちこたえている。ロシア経済は、
意外に盤石だった。
ロシアは莫大な天然資源があり、広大な
農地もある。国内の需要を満たすだけで
なく、世界中に輸出され、世界経済の
一翼を担っている。経済制裁を受け
ても、最悪自給自足できる国だった。
アメリカでシェールオイルの生産が爆発的
に増え、OPECのシェアが低下した。シ
ェールオイルというのは、岩盤層から抽
出して生成される石油のことだ。
ロシア資源の買い手は、いくらでもいる。
ソ連崩壊後、ロシアの大混乱は、目端の
利く実業家にとっては、大きなビジネス
チャンスだった。ソ連時代に要職にあ
った者で、目端の利く者は、うまく
外国から資金を調達するなどして
旧ソ連企業群を安く買い取り、
瞬く間に大企業の経営者になった。
ブラジルは、宗主国より経済力のあった
南米の巨人なり。
ブラジルは、国土の広さは世界第5位、
さまざまな鉱物資源に恵まれ、肥沃な
大地を持つ南米で最大の経済大国なり。
ブラジルは、ポルトガルから分家したような
国である。南米ブラジルは、植民地時代から
経済的に大きな価値をもっていた。サトウ
キビ農場の成功や、金鉱脈が発見され、
ポルトガル本国より経済力があった。
ブラジルの独立に対し、ポルトガルとしては
皇太子の国に攻め込むこともできず、また遠
く南米まで軍を派遣できる国力もなかった。
このためブラジルは大した戦乱もなく、
大きな国土のまま独立できた。
大村大次郎 (著)『お金で読み解く地政学』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!