経済人として、「五島慶太」「杉道助」「堤康次郎」
「新関八洲太郎」「原安三郎」「松下幸之助」
「山崎種二」「石坂泰三」「出光佐三」
「伊藤忠兵衛」「大谷竹次郎」「高碕達之助」
「遠山元一」何れも日本経済界を代表する経営者。
自叙伝を読む事により、困難に陥ったとき、
偉大な先人がどのように切り抜けたの
か。生きいく力となります。
私の生まれたところは福岡県宗像郡。門司との
間に城山トンネルがあるが、そのトンネル
を出たところの赤間というところだ。
私の育った町は特殊な土地柄で、宗像神社
という有名な神社があった。私はその
ご神徳を受けたと考えている。
そういうことで非常にいい恵みを受けて育って
きていることは間違いない、と思っている。
私はいま神社の復興をやっているが、神と
いうものを今の人はバカにしている。
私どもにはバカにできない事実がたくさんある。
それは私の会社は災害を一度も被っていない。
戦時中、あれだけ中国から満州、朝鮮、台湾、
南方とほとんど全域に1000人もの人が働い
ていたのに、一つも戦禍を受けていない。
上海の倉庫の近くに爆弾が落ちたが、倉庫
の外側に落ちて破裂したので倉庫は助
かっている。そういったことは
数え上げれば際限がない。
理屈はいろいろつくかもしれないが、社員は
神のご加護と信じているんだからしょう
がない。また信じないわけには
いかないだろう。
古歌に、「心だに誠の道に叶ひなば祈らず
とても神や護らむ」とあるが、私のと
ころでは神様を祀ってあって私
はこれを一応おがむ。
すると若い社員が入ってきてどういう
わけで神様をおがむのかと質問する。
それから私は説明してやる。
♠「君らは3年か5年大学にいったために
うぬぼれ過ぎている。そして人間が完成
したように思っているが、人間とい
うものは実は何も力はないのだ」
♣「ここの会社に入ったならばまず俺は大学
を出た、卒業したという気持ちと卒業
証書を捨てろという」
♥「人間社会の人情の複雑な中に飛び込んで、
その中で鍛えて鍛えて鍛え上げていくとこ
ろに人間としての偉さが出てくる。苦
労をすればするほど人間は完成に近づくのだ」
♦「私は神様をおがむが、そのときはただ
無我の状態に入るのだ。家庭では神様と
仏様を拝むし、一日に何回か無我
無心の状態に入る。それは
非常に尊いことだ」
♠「どうぞ金儲けさせてください。いい思い
をさせて下さい、というようなことを頼
んだことはない。無我無心になる、これだ」
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!