集めた情報は本当に「自分のもの」になっているだろうか 第 1,812 号

 130人と面会、1日4時間をインプットに

充てている」と語る作家・佐藤優氏。

 そんな佐藤氏が毎日実践している、知的生産

(「読む・書く・考える」の実践法)を初公開

 私は、毎月平均2冊のペースで本を出し、抱え

るコラムや連載などの締め切りの数は

ひと月あたり約90になる。

 ひと月に書く原稿の分量は、平均して1200

ページ、字数にして約50万字にもなる。

 この膨大な創作活動は、膨大なインプット

に支えられている。執筆のために、多い

月では500冊以上の本に目を通す。

 情報収集・分析も、私の専門領域だ。

 世の中で起きている出来事をタイムリーに

知るために、全国紙・地方紙から業界紙

まで含め、合計10紙ほどの新聞に目

を通すのも欠かせない日課になっている。

 ただし、単に大量のインプットを

しているわけではない。

 読みとった情報を1冊に集約させるノート

を作ったり、学んだ内容を学生に教えたり、

ラジオ番組で話すなどして、アウトプッ

トも意識的に行い、「身につく」読

み方をするよう、心がけている。

 インプットと合わせてアウトプットを行う

ことで、読んだ情報は本物の教養

になるのである。

 考えてみてほしい。すき間時間にSNSを

見る、スマホでニュースフィードに流れて

くる情報を見る、こうした手軽なインプ

ットの「量」に比例して、集めた情報

は本当に「自分のもの」になっているだろうか。

 漫然と情報過多の海に飛び込み、たまたま

目に触れた情報を単に得ているだけ

では何も身につかない。

 インプットとアウトプットの両輪がそろう

ことで、得た情報が自分の知識に

なり、教養になる。

 これが「教養力」という深みをもった

人間へと成長する道筋だ。

 「教養力」とは、想定外の出来事に直面

した際、そのつど自分の頭で考え、

適切に対処する力だ。

 佐藤優『調べる技術・書く技術』

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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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