数多くの世界的ヴァイオリニストを育てた
鈴木鎮一先生。
その愛弟子である豊田耕兒さんが
音楽一筋に80年以上歩んできた中で掴んだ
「一流プロの条件」とは。
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(―スズキ・メソードの創始者である鈴木
鎮一先生のお弟子さんに素晴らしい音楽家が
いると伺い、松本までやってまいりました。)
(豊田)
私にとってヴァイオリンの師匠であり、
人生の恩人でもある鈴木鎮一先生が
生前よく登場されていた月刊誌から
取材を受けるというのは、実に
嬉しいことです。
この9月1日で私は86歳になりました。
2~3年前から体が衰えてきて、
昨年10月に行われた鈴木先生の
生誕120周年記念のコンサートで弾いたのを
最後に、演奏家としての活動は区切りを
つけたんですね。
一方、人に教えることはいまでもやっていまして、
この才能教育会館の部屋を借りて月に2回レッスン
をしています。下は10歳の子から上は60代の方
まで、約80名の生徒さんが各地から来てくださっ
ているんです。皆さん本当に一所懸命ですよ。
(―これまで数多くの方々を指導されてきたと思
いますが、伸びていく人と途中で止まってしまう
人の差はどこにあると感じられていますか?)
(豊田)
それは非常に難しいですね。
鈴木先生はよく「才能は生まれつきじゃない。
伸ばしていくことができる」とおっしゃって
いましたから、育て方・導き方次第だとは思います。
でも、歴史に名を遺している音楽家に共通している
のは、やはり人生を懸けている人だったと
いうことでしょう。
(―人生を懸けている。)
(豊田)
一流プロは単に技術が優れているだけではなく、
音楽なら音楽に対しての一つの信念というか
哲学というか魂というか、そういう熱い想いを
持っている。そこが一番大事な要素で、それを
高い技術によって表現し、周囲に伝えることの
できる人が一流プロと呼べるのだと思います。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!