月刊『致知』で5年近くにわたって続いている
人気連載のひとつで、単行本化もされています。
(『ドラッカーに学ぶ人間学』)
最新号から一部をご紹介いたします。
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人間の発展は、まず最初に仕事のなかで、
仕事を通じて行われる。
『ドラッカー経営哲学』(1959年)
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「この床は松だな」。
家具製作、店舗プロデュースを仕事にする知人と
古い建物を何棟か見て回っているときの体験です。
「この梁は杉」など次々に教えてくれますが、
「木」としてしか目の前のモノを知覚できず、
無知な己の存在を強く意識するしかありません
でした。
人は、同じモノを見ていても
経験の違いによって異なる現実を見ているのです。
私とその知人とのモノの見方の違いは、
まさに仕事を通して培われたものの差で
生じていました。
自生する松や杉を見れば識別できますが、
建材としての松や杉を見た経験が
私にはなかったのです。
モノの差異を認識する力は、
たとえば、ワインソムリエが味の差異を識別し、
表現する力などに典型的に現れています。
ドラッカーは
「仕事は客観的な存在」
であるといいます。
仕事は自分という存在の外に在るものです。
事業の一部を構成し、
顧客に満足を届けるために仕事はあります。
客観的な存在は基本的に分析可能です。
たとえば、仕事は作業に分解することができます。
同じ仕事をしている複数人に
一つの仕事をいくつの作業で出来ているかを
書き出してもらうとある人は七つといい、
ある人は一二といいます。
差異を認識する力が異なるからです。
「依頼をうけた仕事、要求されたもの、
他人から受ける管理、職務上で出会う好機とか
危機とかいったものが、人を発展させる」
と冒頭の言葉は続きます。
いずれも仕事の外部性を示す言葉です。
仕事の本質は、自分の意志とは
切り離されたところに存在する顧客のために
「なすべきこと」です。
一方、人間の発展は内面の問題です。
それは、仕事に取り組む己の姿勢が
問われるということです。
(この続きは、『致知』2月号をご覧ください)
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!