一介の英語教師から身を起こし、50歳にして
プロの音楽家に転身した異色の指揮者を
ご存じでしょうか。
青年期から苦しめられた躁うつ病を克服し、
幾度の困難を音楽の力を信じて乗り越
えてきた根本昌明さんです。
その命懸けの演奏は、聴衆の心だけでなく、
オーケストラや合唱団のメンバーの魂にも
火つけるだけの迫力があるそうです。
”一音入魂„に徹した指揮者の半生を、本誌
では5ページにわたって取り上げています。
───────「今日の注目の人」───
☆ 最高の感動は命懸けの情熱から ☆
根本 昌明(指揮者)
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この一、二年で、プロの演奏家や声楽家が、
ぜひ私と一緒にやりたいと集まって
きているんですよ。
しかもプロの中でも、精鋭と言われている
方々ばかり。
彼らは本当に音楽が好きで音楽家になって
いて、一番深いところにある魂を震わせる
ような演奏をしたいと願っている。
彼らが言うには、その魂に情熱の火をつけ、
自分たちの力を最大限引き出してくれる
ものを、私が持っていると。
──あぁ、根本さんの情熱がプロの
演奏家の心を動かしたと。
やはり本気になって演奏したいという人達
が集まってくれるのは嬉しいですね。
よく野球では一球入魂という言葉を使い
ますが、私は音楽家として”一音入魂„の
つもりでずっとやってきました。
ベートーヴェンが最晩年に書いた楽譜
には「心から心へ」と書かれています
が、心というのは感情なんですよ。
だから私は一音一音に心を込める、つまり
喜びや感謝など様々な感情を一つ一つ
の音に込めてきました。
体全体から滲み出てくる音楽への深い愛情、
情熱、そして命を捨ててもよいという
くらいの音楽に帰依する気持ちが
あれば、それは自ずと人に伝わるんですね。
──まさに根本さんは情熱の塊のような
方ですね。
※そんな根本さんの波瀾に満ちた
半生は本誌でどうぞ!
『致知』2017年2月号
特集「熱と誠」P46
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!