「ウラジオストクには、3組のロシア人マフィア
の親分が存在している」。旧ソ連はいまや自動
小銃、手榴弾、さらにバズーカ砲まで飛び
かうマフィアの抗争が日常茶飯事。
ロシア・マフィアを描くノンフィクション。
ソ連時代有数の軍港であったバルト海に
面したクライペダ港などは、さしずめ
このチェチェシ・マフィアの石油
積み出し港になっている。
マフィアは「バルト海のあらゆる港をすでに
おさえている」し、なかでもチェチェン・
マフィアは「このクライペダ港をおさ
えて、油をグローズヌイから外国へ
送り出す拠点にしている」
極東での裏商売はバルト海とちがって、木材や
地下資源の他に海産物(カニやエビやウニ)
の輸出と日本中古車の輸入である。
どちらも半非合法、あるいは違法すれすれ
に行なわれている貿易で、輸出の方はロ
シアン・マフィアがおさえているが、
日本中古車の輸入は、もともと
旧ソ連で自動車の密売を手
広くやっていたチェ
チェンマフィアに一日の長がある。
国営であろうが、民営であろうが、ほとんど
の企業がマフィア組織と手を組まなければ、
いまのロシア・旧ソ連ではやっていけ
ない。とくに、民営企業は、原材
料の搬入から製品の販売まで
マフィアの手助けが必要なのである。
流通・情報ネットワークカマスのトラック
民営企業は言うまでもなく、国営企業でも
マフィアに輸送を依頼する。信頼できる
し、何よりも早い。とくに鮮度が売
りものの生鮮食料品や生花・生
野菜は、マフィアの輸送に
頼らざるをえないのだ。
そのために、ロシア国内のトラックの新車の
ほとんどは、マフィアに買い占められてしまう。
エストニアは中継点
エストニアは、バルト三国の中でも、西側の
企業や銀行がかなり入り込んでいる国だ。
とくに、フィンランド語とエストニ
ア語とはほとんど同じなので、
フィンランド経済の進出がめざましい。
寺谷弘壬『ロシアン・マフィア:
旧ソ連を乗っ取った略奪者たち』
の詳細、amazon購入はこちら↓
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!