皆さんは、唾液ついてどれだけ
ご存じですか?
実はいま、この唾液が大きな注目を
集めています。
唾液と健康の不思議な関係とは──。
健康に不安がある方必見です!
────────『今日の注目の人』──
森 昭(竹屋町森歯科クリニック院長)
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臨床をしていて、最近特に気に
なることがあります。
それは子供の唾液が減っていることです。
治療をする際、口の中に唾液が溜まる
と治療がうまくできないので唾液を
吸引するのですが、20年前と比
べて、最近の子供はその
吸引量がすごく減っているのです。
それは唾液を出すような、日本人の生活
文化がなくなりつつあるから
かもしれません。
私の子供の頃は、よく噛んで食べるよう
にと、食事の際に水やお茶が出される
ことはなかったですし、伝統的な
日本食にはよく噛まないと食べ
られない食材が多くありました。
それから、世界一の長寿国といわれて
いる日本ですが、実は“寝たきり
大国”でもあります。
男性で平均9年、女性で平均12年、
晩年を寝たきりで過ごしている
との厚生労働省の調査があり
ますが、この寝たきり率は
スウェーデンの約10倍です。
これから日本はものすごい勢いで超
高齢社会に突入していきます。
このままでは病床不足や医療費の問題
から、自宅で寝たきりになる高齢者が
さらに増えていくことでしょう。
延ばすべきは、平均寿命よりも
健康寿命です。
私はそのための最後の砦こそ“口の
健康維持”だと思っています。
(略)
そもそも唾液が減少する理由には、
「口呼吸」(唾液が蒸発する)
「よく噛んで食べない」
「水や汁物で流し込む」(唾液腺が
刺激されない)
「運動をしない」(血液循環が悪く
なり唾液が出にくくなる)
「不規則な生活をする」(自律神経の
バランスが崩れ唾液の出が悪く
なる)など、現代人の生活
習慣が関わっています。
「唾液が出にくい生活を続ける」
↓
「唾液の恩恵を受けられないので、健康
をはじめいろいろな問題が出る」
↓
「その問題のためにさらに唾液が出に
くくなる」という悪循環に陥って
いるのです。
逆に言えば、唾液の出る生活、方法を
取り入れれば、健康が維持できます。
月刊誌『致知』 2016年2月号
連載「大自然と体心」P132
立春が過ぎて陽の光に和らぎを感じます。
これから「三寒四温」の気候が続く、
春の季節のはじまりです。
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。 感謝!