世の中が好況に躍っている時には、みなと
一緒に浮かれることなく、手を広げすぎ
るリスクを避け、慎重に行動する。
これがユダヤ式のリスク管理であり、
また「お金儲け」の鉄則でもある。
物事には何にでもリスクがある
とユダヤ人は考える。
その意味でいえば、ユダヤ人に
「想定外」という言葉はない。
悲劇の歴史の中でユダヤ人が、困難を切り
抜け、生き延びてこられたのは、ヘブライ
聖書とタルムードという知恵の
安全律があったからだ。
どんな困難にめぐり合っても、ユダヤ人
は常にヘブライ聖書とタルムードの
律法に身の処し方、決断の
アドバイスを求めてきた。
生きるために、日々の幸福を得るために、
彼らはこの2つを勉強している。
ヘブライ聖書は約3000年前、タルムード
は約1500年前に、今の形ができた
と言われている。
ヘブライ聖書は、モーゼ五書、
別名「トーラー」と呼ばれる。
「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民
数記」「申命記」の書物が基本になっている。
そして、口伝律法とヘブライ学者の議論を書
き留めた議論集が、「タルムード」である。
タルムードとは、古代ヘブライ語で
「研究」「学習」を意味する言葉。
盛り込まれている内容は、日常生活の慣習や
医学、衛生、子育て、紛争解決、家庭から
恋愛にいたるまで、あらゆる事柄に
ついていろいろな規範と、それ
に関する詳細な議論のすべてを記している。
400ページからなる書物が30冊以上ある
膨大な量で、ユダヤ人はこれを毎日
少しずつ読んで勉強する。
ヘブライ聖書やタルムードにまつわるさまざま
な説話は、人生に起こり得るあらゆる問題を
知り、柔軟に対処する術を身につける
ための尽きせぬ知恵の宝庫である。
ユダヤ人は幼い頃からこの知恵の宝庫に
学び、考え、自由奔放に思考を巡ら
せ、困難を切り抜けてきた。
心の平穏はお金次第。
ユダヤ人は「お金を至上のもの」と考えない
が、見下したり軽蔑したりすることはない。
ユダヤ格言の中には、お金にまつわる
たくさんの知恵が語られている。
「夏の暑いときにこそ冬のストーブの
燃料代を蓄えよ」
「明日にやる仕事を今日やり、今日買う
ものを明日にすれば金は貯まる」
「金を数えるには3つの方法がある。
倹約、節約、勤勉だ」
ユダヤ人は疑問を見つけては物事を深く
考え、常に頭の中をフル回転させている。
日本人の何倍もの時間を使って勉強し、
考え討論し、また勉強に打ち込む。
ユダヤ人はヘブライ聖書の勉強を通じ、世界
の誰よりも人間の本質を知り尽くしている。
だとすれば、人間を知り尽くしている人に
お金が寄ってくるのは自然なことなのだ。
なぜなら金は人間が作り出したものだからだ。
失ったものの大きさに成功は比例する。
「自己犠牲なくして成功は得られない」と
いう金銭哲学を超えた人生哲学なのだ。
豊かさの次には必ず大貧困が襲ってくる。
良いことの次には必ず非常に
悪いことが起こる。
抜け出せるのは準備した人だけ。
ヘブライ聖書ほど現代のビジネスマンに
とって役立つ読み物はない。
内容の薄い経済新聞やハウツー本を
読むよりよほど役に立つ。
「徳行は隠れて行え」という
のがユダヤ哲学だ。
「惜しみなく与えれば、必ず
それは戻ってくる」
どんなに裕福な暮らしをしていても、いつか
は人生ご破算になる時期が来るものだ、と
ユダヤ人はどこか泰然としている。
石角完爾
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。 感謝!