脳を少しでも若返らせたい──。
誰もが願うことだと思いますが、それが
実際にできるのであればぜひ試して
みたいですよね?
認知症専門が説く、親指と脳の不思議
な関係に注目です!
────────『今日の注目の人』──
◆ いつまでも元気な脳のつくり方 ◆
長谷川 嘉哉(認知症専門医)
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脳を若返らせ、健康な生活を送るためには、
その“意欲”が極めて重要な鍵を握っています。
多くの認知症患者さんを診察するうちに分
かったのは、意欲の低下に合わせて、脳の
機能低下が本格的に始まるという事実です。
必ずしも認知症だから意欲が低下する
のではありません。
若い頃と比べて、「何となくやる気が湧か
ない」「何をするにもおっくうになった」
と感じる人は多いのではありませんか。
退職間際まで活躍していた人が、退職後に
急激に老け込んでいくというケースは多く
見られますが、それは現役時代に比べて、
脳への刺激が少なくなったことが要因です。
筋肉などが長時間使われなかったため、
萎縮し機能を失うことを「廃用」と言
いますが、それと同じく脳も刺激を
受けないままでいると、対応する
部位が廃用に陥り機能低下を
引き起こすのです。
そのような研究をもとに、私は認知症の
患者さんの治療に親ゆびを刺激する“脳
リハビリ”を取り入れて大きな
成果を得てきました。
例えば、物忘れが目立つようになり、ご
家族とともに当院を受診された75歳の
元経営者の方のケース。
診断結果は早期認知症でしたが、治療に
親ゆび刺激法を取り入れたところ、3か
月程度続けた頃から、表情が明るく
なり、言葉数も増えていったのです。
現在では、自ら散歩に出掛けるようになり、
経営されていた工場にも顔を出し、同業者
の集まりにも参加されるまでに
回復されています。
また、認知症が進んだ患者さんであっても、
当院では約8割の方が症状の維持、もしく
は「言葉数が多くなった」「食事で好
き嫌いを言うようになった」など
の改善が見られました。
検査で脳の萎縮が見つかったといって
諦める必要はないのです。
それでは、私が実際の診療経験から開発した
親ゆびのパワーを引き出す「親ゆび刺激法」
をいくつかご紹介していきましょう。
・親ゆび曲げ刺激法
・親ゆび開いて閉じて刺激法
・親ゆびタッピング法など、具体的な
方法はイラスト付で分かりやすい
本誌をご覧ください!
『致知』2016年4月号
連載「大自然と体心」P134
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。 感謝!