大志を抱いている者ほど小さな物事にも力を尽くす (2-2) 第 208 号

 大きく広げ、細事にこだわる。大志を抱い

ている者ほど小さな物事にも力を尽くし、

遠大な考えを持っている者ほど、

細かいことを疎かにしない。

 GEのイメルトは、こう言った。「今日

の激変する世界で成功を左右するのは、

何を知っているかではなく、どれ

だけ早く学べるかである」

 大いなる素人集団のなかで、孫さんは率先し

て猛スピードでその分野について学び、まず

はグループ一の専門家になってしまう。

 そして、戦略のグランドデザインを

描き、具体的なアクションを起こす。

 社長がこれだけ勉強しているのだか

ら、部下も必死で後を追わない

わけにはいかない。

 誰もまだ成し遂げたことのない、前代

未聞の挑戦なら、無理だと思って

しまうかもしれない。

 だが、よその国ではすでに成功例がある、

あるいは、先人たちはもっとすごいこと

を実現した、と先行する成功例に目を

向けることで、「自分にもできる

のではないか」という発想が

生まれてくる。

 そうなると、人は自然に、「どうすれば

できるのか」と考えはじめるものだ。

 公共投資や補助金に頼らないのが孫さんの

流儀であり、ソフトバンクの価値観である。

 スティーブ・ジョブスは、スタンフォード

大学の卒業式で次のようにスピーチした。

 「人生では、あらかじめ将来を見据えて

点と点を結びつけることはできない」

 「そのときには無関係に見えるいくつ

もの点を後から結びつけるのだ」

 大風呂敷の背景にあるのは、

次のような原則だ。

1.目標は高く明確に。逆算方式で行動せよ。

2.時代に乗って実現力を手に入れよ。

3.リーダーとしての職人芸を磨くべし。

4.ただ一つの「成功のコツ」を心得よ。

5.大風呂敷は思想からはじまる。

 大風呂敷を実現するためには、たくさん

の人を巻き込み、応援と協力を取り

付けなくてはいけない。

 そのとき、大風呂敷のビジョン自体が

魅力的であることは当然、必要だ。

 真剣に考えれば、目標は明確な

長期ビジョンとなる。

 それは目標の実現に向けていつ、何をすれば

いいのかを知るための最も簡単な方法である。

 リーダーとしての職人芸を磨くべし。

 経営者はさまざまな分野の専門家を

束ねて事業を運営する仕事だ。

 同時に、人心を掌握し、プロジェクトを指揮

する一つの専門職だと見ることもできる。

 ウシオ電機の牛尾治朗会長は、松下政経塾

での講話で「職人技術」としての社長業

という話をしたことがある。

 リーダーシップを含めて、「企業経営

というのは、実は7割は職人技術

なのです」というのだ。

 そして、社長としての職人技術を身に

つけるには、「たゆみない訓練に

よる熟練しかない」と。

 キャリアを真似することは難しい。

 だが、リーダーシップもまた職人芸であり、

リーダーとしての経験を積んで熟練に至

るのが重要である、ということは誰

でも学ぶことができる。

 出会いの奇跡を大切にする。

 孫さんは昔から使っているメールアドレス

を今でも残していて、そこには古い知り

合いからの連絡が突然来る。

 すると孫さんは、多忙な身にも

かかわらず旧友に会いにいく。

 たとえ大臣との面会を打診されようと、友

人との約束があればそちらを優先する。

 おそらく秘書課は大変な思いをしている

だろうが、それが孫さんの流儀なのだ。

 人との関係を大切にしていると、それまで

まったく無関係の点と点のように見えて

いた人同士が、思わぬ線で繋がって

いるように見えてくることがある。

 スティーブ・ジョブスの言う「点と点を

つなぐ」が、人間関係でも起こるのだ。

 大風呂敷を広げる方法は、スケールの大き

いことを考えることばかりではない。

 今日出会う人との縁を大切にするという

気持ち一つで、ものの見方は変わってくる。

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 今回も最後までお読みくださり、ありがとう

            ございました。 感謝!

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