金星探査機「あかつき」のプロジェクト
を成功させた中村正人さんも若い頃は、
失敗の連続だったとか。
「失敗は成功につながる一番の早道」
と言う中村さんのお話には大きな
勇気を与えられます。
────────[今日の注目の人]───
◆ 金星探査機「あかつき」の挑戦 ◆
中村 正人
(金星探査機「あかつき」衛星主任)
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──どのような時でも、心の持ち方一つ
で状況は変わるということですね。
私は大学院生の頃、宇宙空間の電場
を測る機械を開発していました。
指導教官と助手と私の3人でやっていま
したが、失敗に次ぐ失敗だったんですね。
小さな観測ロケットに4回搭載して3回
まで失敗しています。
失敗するとどこが悪かったのかが分かる
ので、そこを直す。
次は同じ失敗はしないが、また別の
ところで失敗する。
それを繰り返していたら、4回目に「あま
り複雑なシステムでは駄目だ」と気づい
て単純なシステムに変えて成功し、
それで博士論文も書けました。
もちろん成功から学ぶことも多いので
しょうが、その成功はたまたま地雷を
踏まなかっただけだったのかもしれない。
その点、失敗ははっきりとした理由が
分かりさえすれば直せます。
そういう失敗の経験を積んだことは、
いま思うと私の財産ですね。
ちなみに、その時の指導教官が後の火星
探査機「のぞみ」のプロジェクトマネー
ジャで、助手の方が水星探査機「ベ
ビ・コロンボ」のプロジェクト
マネージャです。
──失敗の体験が 「あかつき」にも
生きたわけですね。
そのとおりですね、だから、私は逆に
いまの学生たちに失敗経験がない
のが怖いんです。
ちょうどそう思っていたところ……
※成功する上では失敗体験が
重要と語る中村さん。
学生たちに「成功のチャンス」は
訪れたのでしょうか。
続きは誌面をご覧ください。
『致知』2016年5月号
特集「視座を高める」P20
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。 感謝!