『論語』というと、どこか堅苦しい
イメージがありますが、その教え
はとてもシンプルです。
本日はあまり知られていない孔子
の家庭観を紹介します。
────────[今日の注目の人]───
★ 孔子が求めた徳治政治 ★
安岡定子(こども論語塾講師)
───────────────────
孔子は言います。
「若者たちよ。家庭にあっては親に孝行
し、外では目上の人や年上の人に対して
素直に従い、行動は慎重にして、
言葉に責任を持ちなさい。
人を慈しみ、学徳ともに立派な仁者に
親しみ、それらを行った上で余裕が
あれば、書物による学問に向か
うのがよいだろう」と。
何をなすにしても、まずは一人の人間
として家庭内の人間関係、身近な人
たちとの関わりを大事にしなく
てはいけないことが分かります。
また別の章句では、ある人から
「先生はなぜ直接政治に携わろうと
しないのですか」
と質問された孔子が、「『書経』という
書物に、『親には孝行を尽くし、兄弟
仲良くすれば、それが自ずから
政治をなすことである』
と書かれている。
家庭生活をよくするのも
また政治である。
どうしてあえて政治に携わる必要が
あるだろうか」と答えている
場面があります。
家庭がすべての人間関係の
基本ということです。
そこに力を尽くすということは、実は
政治に参加していることになるのです。
徳のある人たちが集まっていれば自ずと
いい国になる、ということなのでしょう。
反対に……
※孔子も人間関係の基本は
家庭だと説いています。
家族同士の絆を深める素晴らしい
時間をお過ごしください。
『致知』2016年5月号
連載「親子で読む孔子の人生」P114
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。 感謝!