嫁との出会いはアルバイト先。皆一斉にオープニングスタッフとして働き始めたから
バイト休憩中に弁当を食べていたときのこと。いつものように嫁が話しかけてきた。
嫁「前から思ってたんだけど、俺ちゃんお箸の持ち方すごいな」
俺は左利きなんだけど、昔からそれをみた祖父母がよく右に矯正しようとしていた。
俺「育ちが悪いせいか食べ方汚いってよく言われる」
嫁「それは別に関係ないし、今からでも治せるじゃんw」
俺も捻くれていたもんで、他人のことなんてほうっておけばいいのに
「こうだよー」ってパチパチと持って鳴らせてくる嫁の手を見て真似をした。
俺「これ食べる速度落ちるから嫌なんだよな」
嫁「そのうち慣れる」
嫁は思ったことを包み隠さず言ってくるほうだったので話していて
その帰り道。「家に泊まって行ってほしい」と言ってきた嫁。
様子がいつもと違ったのでなんとなく何か話があるのかと思い、聞いてみた。
腑に落ちないまま。テーブルを真ん中に、床に寝転がって目を瞑っていると
テーブルの向こう側で寝ていた嫁が「私もお箸がきちんと持てなかった」と
その夜に話していてわかったのは、彼女が育った環境が俺と似ていたこと。
先日、身寄りだった義母の百か日法要が済んだこと。しばらく1人で居たく
嫁「ペットでも買おうかなって。猫がいいかな」
明るく言う嫁に、昔近所で俺がよく遊んでいた野良猫の話をした。
その数週間後。知人で猫の里親募集をかけていた人の紹介から出会った1匹の雑種と
俺は事情があって子供の頃祖父母の元で育ったが、そのことに関して不幸だと思った
そんなだったんだけど、嫁と一緒になることはなぜか不思議と迷いがなかった。
そこから結婚して今に至ってる。
嫁が子供を授かったと知ったときは、いざ新しい命のことを考えると「普通の両親」
「母と父にはなろうと思えばなれる、あり続けることのほうが大変なんだよ。
といってくれた祖母の言葉のおかげでハッとさせられたりもした。
嫁と出会ってから、周りの人のありがたみが改めてよくわかるようになった。
あのとき不思議と迷いがなかったのは、多分嫁が人間的にも俺が尊敬できる人だと
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